マクロビオティックをメインに 日本人は玄米和食を

食習慣で良く聞く言葉にマクロビオティックというものが有ります。本やインターネット等あらゆるメディアで紹介されているものですが、私なりにこれまで実践したり勉強した範囲で理解したことを書き記したいと思います。なるだけシンプルに行きたいと思います。

マクロビオティック(マクロビ)という言葉は、

マクロ 大きい (ミクロの逆ですね)

ビオ  生物

ティック 学・考え方

つまり、広い意味での、世の中の摂理にかなった、生き物のあり方、生き方という普遍的な考え方の事ですが、単にマクロビと言えば、食養的なものを表すことが多いです。

その中には以下のような原則があります。見てみましょう

身土不二 しんとふじ

自分が生活している場所・地域で、その季節に摂れるものを食べる事

天候気温等異なる場所(遠くで)で育った食べ物や、異なる季節のものは食べない。 身と土地は同じ、セットで考える。

一物全体  いちぶつぜんたい

一つの物をまるごと全部食べる。

野菜であれば、皮を剥いたり、根を取り除いたりせず、なるだけ全部を食べる様にする。延いては、全部丸ごと食べれるものを食べる。

陰陽調和 いんようちょうわ

食べ物には、それぞれ陰性や陽性の性質があり、そのバランスを重視して偏った食事は避ける。中庸を目指す。

極端に陰陽が強いものは避ける。

例:

陰が強すぎるもの 白砂糖・コーヒー・化学物質(添加物)・タバコ等

陽が強すぎるもの 精製塩(粗塩・自然塩でないもの)・食肉類等

 

農薬や添加物などの化学物質は避け、有機栽培自然農法のものを選ぶ

精白されたもの 精製塩・白砂糖・白米・小麦粉(全粒粉でないもの)などはとらない(一物全体)= 中庸に近いものを食べる

動物性のものは避ける 全体を食べられないサイズの魚類・牛ブタなどの肉類・乳製品

…と大まかにはこのような食事の選び方をします。

 

初めて聞いた方は、

「おいおい、これじゃ何も食べられないよ」

「で、何を食べたらいいの?」

とお嘆きになると思います。

実際にマクロビ食を完全遂行するのは現在の日本では無理に近いと思います。

あれもダメこれもダメ!に見えると思いますが、要領を押さえて、”中心を”マクロビ食に近づけていくだけで、身体にとても優しい食生活になると考えられます。

 

玄米菜食 伝統的な日本食

上でマクロビ食の原則などと堅く書いてしまいましたが、ごく簡単に言うと、

先祖代々食べてきたものを食べる

という事です。

我々日本人の祖先が日本列島に定住し、一万年以上経つとも言われていますが、有史以来人間は身の回りで摂れるものを、基本その季節に食べることしか出来ませんでした。飛行機もタンカーも列車も冷凍庫も冷蔵庫もイオンもマクドナルドも真空パックも添加物もごく最近までなかったわけですから。

日本人のDNAは、その1万年の食の歴史に順応し、長い時間をかけて出来たものなので、その伝統的に食べられてきたものを中心に食べれば身体にとっては自然なわけです。

その中心は、

玄米

これは欠かせません。日本人は米を食べてきました。江戸時代まで土地の大きさも石高、通貨としての役割も果たすほどのメインプレーヤーです。

ただし、精白された白米は”米の一部“であって、”米”ではありません。あくまで生命のエネルギーの集約である、玄米を主食とします。

 

大豆

醤油に味噌、納豆に豆腐などの原料で、玄米と共に日本食の中心です。

肉類を食べなかった日本人の大きなタンパク源で、食物繊維にビタミン類、ミネラルを豊富に含みます。味噌や納豆は発酵食品として、乳酸菌を含み、腸内環境を整えます。

大豆と玄米で必須アミノ酸(体内で合成できないが、人間に必要なアミノ酸)は網羅され、さらに他の必要な栄養がほぼ摂れる、スーパーコンビです。

玄米も大豆も”生き物”であり、蒔けば芽が出る、命(いのち)の塊です。

 

少し話がそれますが、白米にしたことによって失われたビタミン・ミネラル・食物繊維を補完する形で、動物性食品、食肉等の必要性が良く言われています。

例えば、豚肉はビタミンB1が豊富だから食べた方が良い!とかよくテレビでやってます。

そもそも玄米を食べれば、ビタミンB1が多く含まれているので、豚肉でそれを補う必要がありません。

このビタミンB1は、玄米に豊富で白米には少ない栄養素で、白米を主食にした日清・日露戦争時の日本陸軍はこのビタミンB1の欠乏症である脚気に悩まされ、日清戦争では、戦死者よりも脚気による死亡者の方が多かったとか。

その少し前の江戸時代には脚気は”江戸患い”と呼ばれており、白米を食べる習慣が始まった江戸でのみ起きる病気としてこの頃から広まっていったそうです。

当時は伝染病説などもあり、精白によって多くの栄養がそぎ落とされていることに気が付かなかったみたいです。白米は高級品扱いされていたらしいです。

しかしその習慣は今でも続き、

玄米をわざわざ一手間かけて削り、絶命させ(再度書きますが、玄米は種です。生きているので蒔けば芽が出ます)、ビタミン・ミネラル・食物繊維を取除いて食べて、削り取った分の栄養を他の食材をから摂る、という非常に非合理的な事が普通に行われているのです。