五行の関係性 相生相剋
五行のそれぞれの関係性が相生・相剋と呼ばれ、下表の様にサポート(相生)したり抑制(相剋)する関係性で結ばれています。
五行についての説明はこちら
相生の関係は、サポートする間柄、親子の関係です。表では隣り合う位置関係です。(実線の→です)
木は燃え火を作り、燃えた後の灰は土になり、土の中から金属が生じ、金属の表面に水が生じ、水が木を潤します。 肝が心を支え、心が脾を支える、といった関係です。
逆に相剋の関係は抑制する関係です。表では対角線の位置関係で、点線の→になっています。
木は土から養分を吸い取り、土は水の流れを止め、水は火を消し、火は金属を溶かし、金属は木を切り倒します。
心が肺を抑制し、肺が肝を抑制する、といった関係です。
具体的に見てみましょう。
右下の土から左下の金に実線の矢印が向かっています。親が子を助けている関係ですね。
→ 土(胃・脾 甘味)が 金(肺・大腸 辛味)をサポート (土生金)
土=脾=甘みである良質のデンプン質を撮り、よく噛むことで、唾液が胃腸の働きを良くし、更には肺を潤し強化します。(注:逆に白砂糖や合成甘味料などの強すぎる甘みは逆効果になってしまいます。)
脾を良く養う事で、隣の肺も養われる、という事です。 相に生きる、といったところです。
料理の味付けの観点でみても、辛いものに甘いものを足すことでより深みのあるものになります。
今度は相剋、抑制の関係です。
図の五角形の内側に、右上から左下に点線の矢印が向かっています。
火(心・小腸 苦味・赤)が金(肺・大腸 辛味・白)を抑制しています。 (火剋金)
火が強すぎたり、悪い状態にあると、金に属する肺や大腸の働きが抑えられてしまいます。
火=苦味の強すぎるものの例としてタバコやコーヒーなどが有りますが、これらの摂取により金=肺及び大腸の働きが抑制されて弱り、アレルギーや喘息などの問題が起きやすくなります。
色合いの例でみると、火の赤が金の白を抑制します。例として、日の丸・赤十字、救急車などで、赤のワンポイントが白地に入ることで色合いがぐっと落ち着きます。
この様に、内臓や身体だけでなく、色や味などあらゆる五行に属するものにこの原理が当てはまります。
ごく一部の例を紹介しましたが、五行の相生相剋を理解することで、自分の現在の体調や生活環境、食べ物等を分析し、改善することが出来ます。
ここのところ、西洋医学との考え方の隔たりが年を追うごとに少なくなってきました。
今では大腸の状態(腸内フローラ)が免疫やホルモンの大きな役割を果たしていることが分かり、東洋医学でいう肺・大腸がリンパ・免疫の中心にある事に行きついています。
脳がトップダウン式に人体をコントロールしているのではなく、各臓器がお互いを見ながら関係、ネットワークを形成し、同時に役割を果たしていくという五行の考え方が西洋医学でも主流になってきているように思います。